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zoom RSS おとボク2 人物・ヒロイン編

<<   作成日時 : 2001/04/18 00:00   >>

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 ヒロインたちのネタバレ説明&感想。

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妃宮 千早(きさきのみや ちはや)
 身長168cm、AB型。誕生日は3月12日で魚座。三年C組所属。
 本名は御門千早。父親は御門邦秀、母親は御門妙子。妃宮は母の旧姓。前作の主人公、鏑木(宮小路)瑞穂は、はとこにあたる。
 母方の祖母が北欧の生まれで、長く美しい銀色の髪を持つ。
 冷笑家で計算高い性格。しかし、本人はその性格を嫌っている。本来の性格は善く気配りのする行動的な性格だったのだが、双子の姉・千歳の死による妙子の精神状態の悪化、家庭を顧みなくなった邦秀への不信が高じ、人間不信になると同時に世間を眇めて見るようになり、性格が変わっていった。
 上から目線で話す・いつも冷めた態度を取る・女っぽくてなよなよしている等クラスメイトに思われており、通っていた学校で嫌がらせを受けていた。父の後を継ぐべく厳しい教育を受けていた為に成績が良かったこと、家庭環境の問題で精神的に余裕が無かったことが周囲との軋轢を生み、人間関係を悪化させたことで千早は不登校になってしまう。
 その為、現状を憂慮した母の強引な工作により、女装して聖應女学院に編入させられることとなる。
 結果的に、妙子の無茶のせいで退路を断たれたことにより、世間から逃げることを止めた千早は精神的に成長していくことになる。

 趣味は料理。妙子が全く料理が出来なかったことと、病弱の千歳に何かしてあげたいという思いから、小学4年の頃から料理を学び始める。千歳から初めて美味しいと言ってもらえた「オムライス」は思い入れの深い料理で、学食全メニュー制覇の際も一番最後まで手を出さなかった。学生寮の寮母さんとは、メニューや味付け等で意見を交わしたりしているらしい。
 他、本編内で判明しているだけでも護身術、茶道、華道、音楽(ピアノ)、言語学、絵画、社交ダンス等々、外交官となるのに必要なものは幼い頃から学ばされている。
 幼少の頃の教育係は、史の曾祖母の度會まさ路。史と共に教育を受け、頭が上がらないと共に深く信頼する人物でもある。

 同年代の鏑木瑞穂とは常に能力を比べられる立場だったが、年長者である瑞穂の方が優れていた模様。子供の頃に何度か対面しているが、いとこの御門まりやに振り回されているだけの「情けない男の子」との印象が強く、好きにはなれない人物との評価だった。
 それ故に、瑞穂が自分の「前例」だったと知って複雑な思いを抱くことになり、「こんなところまで来て彼と比べられたくない」、「一体何をやっているんだあの人は」等の愚痴がこぼれている。
 ちなみに、料理の腕だけは千早の方が上。瑞穂は家の教育で厨房に入ることが出来ないから料理が出来ません。あと性格的なものでチェスなんかも千早の方が上でしょう。瑞穂はまりやに勝てないんだし。

 千歳が亡くなった後、史を宥めるために千歳の真似をしていた時期がある。小遣いを溜めて髪染を買い、女装して史と共に眠ったりしていた。これは、千歳の遺言である「お母さんと史を守ってあげて」という言葉を子供なりに解釈した結果だった。
 薫子と共に第75代のエルダーとなる。二つ名らしきものは挙げられていないが、下級生の評価は、薫子の「動:アクティブ」に対して「静:エレガンス」となっているので、「エレガンスの千早」と呼ぶべきだろうか。

 瑞穂よりも人間臭いところのある少年で、打たれ弱さからくる「繊細さ」ではなく、他者に対して気を使うという意味での「繊細さ」を持っているように見えます。他人を傷付けないようにと心配りをするけれど、不器用だからそれが相手にも知られてしまう。だから、相手からすれば見下されている(見透かされている)ように感じるし、周囲の人間も鼻に付く奴だと考える。年齢を重ねて大人になれば、他人からのそういった思いやりを受け入れることも出来るのでしょうが、同年代の少年相手では逆効果だったんでしょう。
 こういう性格がそのままで成長すると、本人の与り知らないところで、敵と味方を大量生産するタイプになります。
 半ば自棄になって女学院に編入したくせに、鏡の前で笑う練習とかをしている完璧主義者だったりします。でも、自分の女装に「理想の女性像」を重ねているわけではなく、男だとばれない様に必死になっているだけなんですけどね。
 全ルートクリア後に考えると、危急の際に頭の回転が速くなるタイプの人間のようです。普通の学校に行っていればそこそこ頭の良い少年程度で終わってしまうようなキャラクタ像でしょうか。逆に言うと、追い詰められないとエンジンが掛からない厄介な性格とも言えるのですが。治世の能臣、乱世の奸雄?






七々原 薫子(ななはら かおるこ)
 身長171cm(自称)、O型。誕生日は4月19日で牡羊座。三年C組所属。
 父親は七々原玄蔵、母親は七々原靜香(故人)。長い黒髪は、玄蔵から少しは女らしくしろと云われた為に切らないでいる。少々キツめの眦を持つスレンダーな美少女、というよりは美人。

 猪突猛進&即断即決で正義感の強い性格。物心つく前に母親が亡くなっているため、男手で育てられた。本人が評するところの「ガサツな性格」ではあるが、他人に対して気配りが出来ないわけではない。深く考え込まず反射的に行動するために、ガサツに見えていると云うべきか。
 自分を育ててくれた父親のことは慕っているものの、その家業である消費者金融のことは良く思っていない。他人が汗水流して稼いだ金を巻き上げているという思いが強い為、そんな金で作られた実家も嫌いなら、そんな金で育てられた自分のことも嫌っている。
 中学在学時にクラスメイトが父の会社から借金をし、それが原因で一家離散することになった。そのクラスメイトが学校で薫子に暴力をふるって事を暴露し、薫子は「高利貸しの娘」として孤立することになる。
 父・玄蔵が薫子を聖應女学院に編入させたのは、お嬢様学校で女らしくなるようにという表向きの理由とは別に、そういった暴力から薫子を守るためでもあった。
 幼い頃からボディーガードとして傍に居た龍造寺順一を兄として慕っているが、その順一が、実は父から借りた金を返せずに無理心中した一家の生き残りであると知ってしまい、実家嫌いに拍車を掛けることとなる。

 新入生として編入してから二年間、「姉」である周防院奏と共に学内で活躍(?)する。
 演劇部の花形である奏を巡って対立した生徒たちと揉め事を起こし、フェンシングでの決闘騒ぎとなる。しかし、鏑木瑞穂との特訓によりフェンシング部のエースを打倒し、「騎士の君」の二つ名を頂くことになった。
 飾らない真直ぐな性格と、前エルダーだった奏と共に行動していたことで学内の知名度は高く、本年度のエルダー候補一位となっている。
 身体能力が高く、剣道三段の腕前にしてフェンシング部の員数外としても活躍している。反面、女らしい特技が無いことが本人にとってもコンプレックスになっており、よりにもよって「男」である千早に女らしさを教えてほしいと頼むことになる。
 部活動には所属していないが、奏と台本の台詞合わせをしていた為か演技力は高い。奏がそのことを演劇部の後輩に漏らしていたため、本人の与り知らぬところで演劇部からは高評価を受けている。

 夜更かしは出来るが早起きは超が付くほど苦手。目覚ましを大量に用意しないと一人で起きられない。勉強も苦手で試験はいつも直前の集中勉強で乗り切っている。奏に甘やかされたためか女らしい作法(お茶の入れ方なども含む)も全般に苦手。……全て自業自得と云うべきか?
 基本スペックは高いので、丁寧に(或いはスパルタに)教えればきちんと覚える。千早曰く「やれば出来る子なんですから」。千早と共に第75代のエルダーとなる。
 専用ルートでは紆余曲折のすえ、「囚われの御姫様が王子様に助け出される」という結果になる。恋人になってからは甘えまくるあたり、やはり、可愛い女の子なのだ。
 PSP版では父親との確執についてもその後が語られているのだけれど、これを蛇足と取るかどうかは難しいところ。何故って香織理ルートがなくなった為に千早の成長がイマイチ分からなくなってしまっているから、千早は結局家族と上手く仲直りできたの? って感じてしまうので。

 ジワジワと恋心を成長させていく薫子は、正しくヒロインと云えるキャラクタです。千早が男だと分かってからの態度も注目ですが、やはりポイントは創造祭を越えてからです。千早が男であるという事が偶に頭から抜ける薫子ですが、それはつまり、男でも女でもなく「千早という個人」を気に入っているということですから。
 そして、各話タイトルで分かりますが、薫子の「担当」は赤頭巾とラプンツェル。どちらも「囚われているところを助け出される」役で、それはつまり、内心で閉塞感を覚えている薫子は誰かに助け出して欲しいと思っていることの裏返しなのです。
 だからこそ、王道のボーイ・ミーツ・ガールよろしく自分を迎えにきてくれた千早に対して、告白後は甘えまくっているのではないかと。






度會 史(わたらい ふみ)
 身長145cm、B型。誕生日は7月20日で蟹座。二年B組所属。
 両親、祖父母の情報不明。曾祖母に度會まさ路。学園内でも常にホワイトブリムを装着する生粋の侍女。メイドと云われると侍女ですと反論する。
 好物はビスケットサンドアイス。十個ぐらいならまとめて食べられます。

 妃宮公爵家に代々使える度會家の少女。メイドと云われた時に侍女ですと反論するところから考えるに、明治維新前後に増えた庶民層からの家政婦ではなく、確りとした家格の「レディズ・コンパニオン」が元になっているものと考えられる。
 幼い頃から千早及び千歳と共に過ごし、幼馴染といえる関係。教育係でもあった曾祖母の度會まさ路に千早たちと共に学んでいる為、学業その他の能力は平均以上。また、侍女としては「滅私奉公せよ」との教えを受けている為、感情を表に出すことが殆ど無い。尤も、この教えは「史が千早に思い惹かれることのないように」と考えたまさ路の思い遣りだったのだが……。
 表情に出ないだけで実は結構感情豊か。千早ならば、不機嫌な時はそれと分かる。

 千歳が生きていた頃は泣き虫だったらしい。千歳が亡くなった時に長く悲嘆に暮れていたため、千早は女装して史を宥めていた。いつしか史は千早と千歳を混同し、千歳の存在を忘れるようになる。時を同じくして、侍女としての自覚が出てきたのか、感情を表に出すことが無くなっていった。

 少なくとも先年から聖應女学院に通っているが、本編から千早の付き添いとして入寮することになる。本来は御門家に仕える侍女で、仕事は千早の傍用人と監視カメラ等警備機器の管理メンテナンス。
 実益を兼ねた趣味なのかは不明だがコンピュータにも長けており、幅広いネットワークを持つ。普通の女の子はフォックス・ハンティングの装備一式を送ってもらったりはしないです。

 千早至上主義。これには本人も知らぬ淡い心があるのだが、まさ路の教え故にその思いに気付くのは専用ルートに入ってから。
 侍女としての能力は優れているのだが、千早よりも優れていると胸を張っていえるのはコンピュータ関係だけだと思われる。料理に関しては千早が先生といえる。実は辛い物が苦手でその手の料理を作るのも不得意。
 千早からのリクエストには何であろうと応えようとする傾向がある。無駄になるから止めろと云われつつも、今日もまた飲まれる見込みのない茶葉が積まれていく……。
 某ダイ○ンの掃除機並みの吸引力で他のルートへの移行失敗を一手に引き受けるため、ユーザーから恨まれることになる悲劇の少女。ところがどっこいPSP版では調整が行なわれ、その吸引能力は大幅に減少した。却って行き難くなりましたよスタッフさん。

 千早に対して身も心も捧げているといった感じの史は、物語当初からフラグオン状態。しかし、自身がその思いに気付くのは、全ヒロインの中で最後です。史は恋心を義務へと置き換えているので、千歳が背中を押さなければ、永遠に結ばれないままだったでしょう。
 泣き暮らした頃に千早が言った「ずっと傍に居る」という約束。しかし、史が千早の傍に居るにはただの少女では無理でした。だって史は使用人で、それ以上でもそれ以下でもないですから。千早が来てくれるのを待つだけでは、ずっと傍に居る事は出来ません。
 史が侍女として仕事に尽くすのは、一人で何でも出来てしまう千早の傍に居るには他に方法が無いからで、だからこそ優秀な侍女として成長したんだろうと考えられます。きっと、必死になって勉強したんでしょうね。
 侍女として厳しく教育しながらも、史のことを「不肖の弟子」だと誉めるまさ路さんが印象的です。この人はずっと前から史の恋心に気付いてたんでしょう。






ケイリ・グランセリウス
 身長171cm、A型。誕生日は8月15日で獅子座。二年C組所属。水泳部所属。
 アジア人の父親と欧州人の母親を持つハーフで、アルカイック・スマイルの似合う美人。父方の家系はとある国の王族だった。祖父の代に軍事クーデターが発生して国を追われ、欧州へと逃れる。
 家族構成は父が存在することのみ確認。母は子供の頃に毒殺されている。ブルネットの肌と髪、翡翠の瞳をもつエキセントリックな少女。占星術を得意としている。
 彼女の天球図には、所有するものを示す場所にウラヌス(天王神)が在り、運命を示す場所にはウェスタ(炉と竈の神)が居る。これを言葉に訳すと、ケイリは星々を司ることを義務として背負っている、と云う意味になる。それをして、「私は夜に在り、数多星々を司る星の王女」と初対面の人間には名乗っている。末裔とはいえ実はホントに王女様なのだ。

 クリスチャンで、礼拝堂で祈りを捧げる姿が良く見られる。幼い頃から日本とイギリスを往復する生活の為、流暢な日本語を喋るが男言葉が多い。
 複雑な家庭環境の為に今まで学校に通ったことがなく、聖應女学院が始めての学校生活となる。同年代だけを集めた生活に縁が無かったために行動が突飛で、周囲からは不思議少女と思われている。
 また、所謂「見える人」な為、千歳の正体を見破ったり、千歳に憑依されて疲れている千早に怪しげな(ウィッチクラフト?)キャンディを与えて回復させたりしている。
 聖母らしくあると同時に魔女らしくもあるという、どうにも怪しげな魅力のある女性。

 母の遺言により、困難に立ち向かう人を助けることを信条としている。「その人たちが、いつか貴女の進む道を照らしてくれる筈だから」、と。つまり、「情けは人の為ならず[A kindness is never lost](親切は決して無駄にならない)」と云うことである。そのことを本人も自覚しているため、「有償」で手助けしていると嘯いている。
 学内では神出鬼没で人を助けている為か、或いは本人の持つ雰囲気故か、それなりに人気がある。
 表面上はクールに見えるが、内面は情熱的な少女。二つ名は無い。
 専用ルートは……登場する作品を間違えてるんじゃないかってくらい浮いてます。クロスオーバーで二次創作を書け、そういう天の啓示ですね。

 天王星(ウラヌス)は「星ちりばめたる」と言われる、全身に恒星を散りばめた夜空の神。
 地上に居る様々な星々を結びつけるように世話をして回るケイリは、それが義務であるとはいえ、楽しそうに星(ヒロイン)の海を泳ぎまわります。
 千早が言っているように、母の願いは呪いとなってケイリの身を覆っているわけですが、それ以上に、ケイリは自身の天球図に自分自身を縛り付けている様にも見えます。クリスマス後に「もうそろそろ」と呟いたのは、クリア後ならご存知の通り、自身の運命を変えるタイミングが来たことを示すもの。生きる理由を千早に求めるケイリですが、「運命」なんて言葉で決めるなんて、駄目ですね……そんな理由ではまだまだですよ。
 さて、実は彼女のもう1つの星、ウェスタ(ゲームではヴェスタ)は炉の神様ですが、この神体は燃え続ける火なのだとか。焔のような情熱でもって千早と結ばれたケイリですが、処女神であるこの神を運命として背負うケイリが純潔を失った時、彼女の運命がどう変わったのか。炉の中にくべられた供物は何なのか。色々と考えさせられるものです。






冷泉 淡雪(れいぜい あわゆき)
 身長165cm、B型。誕生日は12月12日の射手座。二年C組所属。華道部所属。
 家族構成の詳細不明。両親、祖父母共に日本人だが、本人は隔世遺伝の為に金髪で碧眼。華道の名家に生まれた淡雪はその事実が元で周囲から疎まれ、劣等感となって心に残った。表面上は負けん気と熱血気味な行動力で覆っているが、千早の登場を切っ掛けとして内面が揺らぎ、自分の生き方を見詰めるようになっていく。
 雅楽乃とは親友同士で、二人だけの時は「うたちゃん」「ゆきちゃん」と呼び合う仲。
 自らの非を素直に認める潔さを合わせ持つ反面、何にでも勝敗を決めたがる性格。結果として、千早と勝負をしては負けて凹み、立ち直ってはまた勝負するという関係になる。

 雅楽乃と同門の華道一族だが、雅楽乃が本家筋にあたるのに対して、淡雪の家がどの程度の家なのかは語られていない。しかし、金髪碧眼がハンデとなるということは、かなり本家筋に近いものと思われる。
 母の教えに従い華道を学ぶことになるが、その底辺には周囲から疎まれている淡雪の(或いは家族の)立場を家元に就任させることで盤石にし、後ろ指を差されないようにする為という考えがある。
 淡雪や雅楽乃の修める華道の一門は、家元を試験によって決めている。現在の家元は既に年輩で後継者争いが始まっており、近い将来に行われる家元試験に間に合うようにと、家元になることのみを追求し、負けた時のことなど考えるなと教えられてきた。
 母の期待に応えるため、家元という存在の実態も知らずに励む淡雪だったが……。

 本が大好きで、英語の原文だってなんのその。本を読む時の集中力はかなりのもので、華道部の活動が無い時は図書室に居ることが多い。試験期間中でも勉強せずに本を読んでいたが、付け焼刃の試験勉強で底上げするよりは本来の実力で勝負するべきという考えをしている。
 二つ名(?)は「謎の金髪ちゃん」。薫子が知っているあたり、家族が日本人で隔世遺伝だという事は知れ渡っている模様。
 ツンデレ金髪ツインテール。オプションとして八重歯も装備。……エリン? 誰ですかそれ? 専用ルートでは萌えパワーを遺憾なく発揮。避妊? 何ですかそれ?

 学校生活という括りで見れば、ヒロインの中で千早とは接点が少ない存在である淡雪ですが、ところがどっこい出番は多いです。ことあるごとに突っかかり、負け、凹み、復活し、次の勝負を求める。とても忙しい女の子という印象です。そのうちに、勝つことそのものが目的に変わっていく辺り、なんて単純な子なんだろうと思わなくもなかったり。一歩間違えれば鬱陶しく纏わりつく嫌な子になってしまいますが、そのあたりはキャラクタ造形の妙でしょうか。
 母親との一件でも分かるように、比較的目先に囚われやすい等身大の女の子という感じです。他のヒロイン達がどこか大人びていたり影を負っていたりするなかで、薫子以上に陽性の性格をしている淡雪は、実に楽しめる子になっています。やはり「お約束」というのは、そうであるが故に楽しいんですよね。
 話は変わりますが。EDを見た中で尤もズボラな感じになってしまっている淡雪さん、美人なのに残念な人の典型になってます。






哘 雅楽乃(さそう うたの)
 身長158p、A型。誕生日は9月28日で天秤座。二年A組所属。華道部部長。
 家族構成の詳細不明。華道一門の主家筋に生まれ、非常に厳しく躾けられてきた。
 大和撫子な外見からはお嬢様オーラがバンバンと出ているらしく、それが元で「御前」という二つ名を持つ。
 完成された大人の雰囲気を持つ利発な性格で、同級生及び下級生からはご意見番としての人気も高く、既にエルダー候補としての呼び声も高い。が、千早との出会いにより内側に隠された性格が露わになっていく。

 千早と同等かそれ以上の万能教育を施されているが、それは非常に厳しいもの。これは、家柄故に政治家や財界の客人が多く訪れるため、恥ずかしいところを見せないようにという、云ってしまえば外面を良く見せるためのもの。一族を代表する家であるために、恥を出すわけにはいかないのである。特に家業となる華道に対する心構えは凄まじく、家に居る時は華道以外の全てを排しているといっても過言ではない。
 幼い頃は反抗心もあった雅楽乃だが、諦観さえも無くなるほどに厳しい教育の末に、現状を受け入れるに至る。
 学校はある意味息抜きの場であるのだが、そのカリスマから二年生にして華道部部長になるとともに、ご意見番として様々な相談を受けているために気が休まらない。そんな立場だからこそ、甘えさせてくれる千早に懐くのは当然ともいえる行動だった。

 実家では認められていない土いじりをするために、花を貰いに行くという建前で園芸部に顔を出している。自身の常識に照らし合わせたうえで、羽目を外しすぎない程度に自由を満喫している、と云えるのかもしれない。

 良識のあるお嬢様なのだが、専用ルートに入ると一変。えっちな妹は好きですか?
 こうなってしまった原因は、やはり、抑圧しすぎた教育にあるのかもしれない。何事も度を越してはいけないのだ。

 最初のイメージから、ある意味期待通りに斜め上へと暴走した雅楽乃さん。ストレスというのは適度に発散させないと駄目なんですよ、と思ったり。だからって学校でやっちゃ駄目ですが。
 華道以外には生きられないという虚無感は、千早の地の文には出てきますが、通常のシーンでは見られません。千早に甘える方が目立っていますし。なので、本当はメリハリの付く筈だった性格設定が微妙になってしまっているのが残念なところです。
 大和撫子の外見と落ち着いた性格で、殆どの生徒は御前というフィルターを通して雅楽乃を見ています。園芸部部長の姿子のように雅楽乃を「アウトロー」と評する人も居ますけど、残念かな、彼女の本質を見抜く人間が居ないために、インプリンティングのごとく千早好き好き状態に。
 あまりにも厳しすぎる教育故に、陰性の感情も殆ど理解し得ない雅楽乃さんは怖いです。もし、嫉妬に狂ったりしたら……!
 真昼間、しかも仕事の最中に夜の生活を夢見るほどに成長しちゃったうたちゃんも、まあそれはそれでいいかもしれませんけどね。






神近 香織理(かみちか かおり)
 身長166p、AB型。誕生日は8月24日の乙女座。三年D組所属。
 母親は神近藤子(故人)。父親は書道の大家で名前は蓮見克也(エンディングクレジットで確認)。
 母親はいわゆる「芸者さん」で、認知はされていないので私生児と云う扱いになる。
 生活環境もあってか非常に大人びた性格。機知に富み包容力がある。しかし、露悪的な行動に走ることもあり、刹那的(スリルを楽しむような)な面もある。
 唯一の肉親である克也を困らせたいが故のアンバランスな精神が常の行動にも表れているため、その雰囲気が一種の妖しい魅力となって、初心なお嬢様たちを引き付ける要因にもなっている。
 生来の性質は情に厚い「お姉さん」気質で、停学騒ぎを経て精神的に成長した後は、下級生からも普通に慕われるようになる。

 趣味は調香。小指の先ほどで数万円もするような高価なものもあるので、自分で揃えたものではなく母の遺品だと思われる。
 挙体芳香という特殊な体質で、香織理は趣味の調香で自らの体臭を梔子に似た匂いに合わせている。幼い頃は香水を付けているものと間違えられ、教師や同級生からの受けは良くなかった。
 しかし、10歳の誕生日に母から香水を貰っているあたり、幼い頃からそういうものに興味は有った様子。匂いに敏感だとはいえ、香織理の年齢で「ミツコ」のようなバランスの香水を作れるというのは凄い技術なのだ。

 懐疑主義的な行動力で千早の正体を早々に見破るが、家庭環境からのシンパシーを感じ、学内で孤立しがちな香織理を手助けすることを交換条件にして、千早に協力することになる。確かに協力はしているが、ことあるごとに千早の意識を「男」に引き戻して遊んだりする、ちょっと困ったお姉さん。
 複数(?)の下級生を恋人に持つが、本人は真面目な恋愛ではなくペットを愛でる感覚で相手をしている。女性は恋愛の対象にならない、しかし男性は父のこともあり不信を感じてやはり恋愛対象にならない。将来は適当な会社に潜り込んでお局様的なものになれればいい、なんてことを云っている。

 ちょっとえっちなお姉さんから包容力のあるお姉さんへとバージョンアップ。かと思ったら、専用ルートでは女を感じさせて甘えてみせたりもする、変幻自在のお姉さま。
 EDに出てくる二人の間の子供が可愛い。しかし、スカート&パンツルックというのは、性別が分からないんだが……。色んな意味で千早二世なのだろう、多分。

 多分、他の場所のレビューでも言われていると思いますが。
 子供が全部持ってった!
 他人に優しくできるのは、傷ついたその痛みを自分が知っているから。緋紗子先生が最初に言っていた台詞ですが、それ故に、千早と香織理は深く結びついていきます。まあ、其処に至るまでのグダグダも楽しいんですが。
 他のルートと違うのは、唯一、過去を振り返ってそれを乗り越えるところ。親は親、子は子。生意気かもしれないけれど、それは僕/私には関係ない、と言い切る2人は格好良いです。
 千早が危惧している通り、親がそうであった以上、自分たちも失敗するかもしれない。それでも頑張る2人を応援したいと思わせるこのシナリオが一番好きです。
 親の無い子は、親から愛された記憶が無いが故に、親となった時に子供を愛する方法が分からなくなるといいます。現代における子の虐待事件の根ともいえる考えですが、それでも、千早と香織理には、親から愛された記憶があるのですから、幸せになってほしいものですね。






栢木 優雨(かしわぎ ゆう)
 PSP版でメインキャラクターに昇格した。
 身長142p、O型。誕生日は11月6日の蠍座。一年、所属クラスは調査中。
 母親は世界的にも有名な人気女優である、柊亜希子。父親は作中に登場しない。
 生来の身体の弱さが原因で入退院を繰り返していた少女。生きる希望を持ってもらいたいという理由で親が聖應に入学させたが、それまで学校に通っていなかったこともあって、純朴で世間知らずである。直感に優れている。
 当初は自分の体質に対しても諦め気味で、リハビリなども行なわなかった。
 雅楽乃の言葉が切っ掛けとなって園芸部に所属して、草木を生長させる喜びを知ることになる。

 初対面で自分を助け、受け入れてくれた千早に懐く。千早と会った時に「天使さま」と呼んだのは、実は彼女のお気に入りの天使画(おそらくは受胎告知の絵と思われる)の天使と瓜二つだったから。この絵は非常に大事にされていて、入寮した時にも一緒に持ってきている。
 優雨が絵を描くことを趣味にするようになったのも、元々はこの絵を真似したいと思ったから。身体を満足に動かせなかった優雨は絵を描くことにも苦労していたようで、だからこそ逆にその才能を伸ばしたのかもしれない。
 
 性格的に幼いからなのか男女の差に対して特別なことを考えてはいなかったようで、千早の正体が男だと知っても平然と受け入れたばかりか、これで結婚してずっと一緒に居られると喜んだ。
 ちなみに、設定では自称雨女とか雨の音を聞いていると眠ってしまうとかあるけれど、本編ではそんな事は有りません(笑)。
 
 優雨可愛いよ優雨。バキューム力の弱まった史とちびっ子人気を二分することになった優雨だけど、どう考えても優雨が可愛い。
 おまけシナリオで陽向の書いた『カーミラ』の台本に修正意見を言ったりする。芸術家肌だからかと考えられるけれど、これは明らかに母親の影響でしょう。
 追加キャラとして初音とシナリオを分けることになってしまうのはとても残念。実質の単独は最終話のみ。年賀状のお返しにと出した静物画の絵葉書の元になった絵を、母親が勝手に有名な絵画賞へと出してしまい、それが見事に大賞を取ってしまった。何というご都合主義ファンタジー。ちなみに絵の雰囲気は某戦場帰りの原画家さんと同じです(笑)。
 決してべたべたと甘えるわけではないんだけど、千早が大好きなのは見ていて明らか。本人にその気は無くても千早の精神をガリガリ削っちゃうぐらい積極的なアピールが笑えてしまう。千早は経緯を知った香織理辺りにロリコンの称号をもらうのだろう。そしてちーちゃんは学院の壁に飾られる天使となったのでした、まる。
 EDにおけるちょっと大人な声の優雨も凄く良い。
 母親が女優という事を考えると、つい考えてしまうのが優雨の髪形。つ、月影先生ですか!?






皆瀬 初音(みなせ はつね)
 PSP版でメインキャラクターに昇格した。
 身長158cm、AB型。誕生日は5月4日の牡牛座。三年A組所属。
 生徒会会長兼寮監督生。陸上部にも所属しているが、生徒会活動が多忙で顔を出しては居ない。
 ニューヨークに両親が在住している。父親が大企業のNY支社長らしい。
 幼年部から聖應に通う生粋のお嬢様で、高等部に進学時に親の海外転勤が決まったが、英語が不自由で海外に行きたくないと嫌がった為に、箱入り娘のことを心配した両親が入寮するように勧めた。

 入寮当初は子ウサギのようにおどおどした性格だったが、二年間の人付き合いを経て包容力のある女性へと成長した。ずっと聖應に通っているせいか少々世間知らずなところはあるが、人の和を重んじ、強い責任感を以って自分に甘えない人物。曲者揃いの生徒会や寮生を纏め上げる苦労人。
 まあ尤も、本人は対人関係に苦労してもそれを投げ出すようなことはしない人なので、それが人望の高さに繋がっているのだろう。
 ちなみに最初は家事も出来ない駄目っ子だったらしい。彼女の「姉」上岡由佳里が一から教え込んで、何とか生活能力を得た。
 創造祭に関わるとある一幕では、自らのことを「タヌキ顔でせくしぃさが無い、男の人に母親っぽいとか思われたくない」等々、コンプレックスを暴露している。
 ちなみに私服はリボンの沢山付いたフリフリワンピース系で、過去には御門まりやがお土産(自分の古着)を持ってきたこともある。
 母親のことがとっても大好きらしいのだが……実際にどんな人物なのかは語られていないので不明。

 夜にとっても弱い。中学時点で夜の八時までしか起きていられず、現時点(高校三年)でも夜十一時を過ぎると自動的にシャットダウン。本人はおきていられると自称しているけれど、実際は十一時前に寝オチしている。
 生徒会が多忙な為に陸上部は退部同然で、それが元で運動不足になってしまうため、日々体重計と戦っている模様。大好物であるサンドイッチは高カロリーな物が多いので、それも体重増の原因だろう。
 ちなみに、一年半かけて寮母の作るお弁当のサンドイッチレシピ120種を食破した。

 PSP版においてちょっとイメージが変わる人物。しかし可愛さは当社比200%に修正された。
 親の云う事に何でも従う良い子ちゃんかと思いきや、実は聖應の寮に入ったのは両親へのささやかな抵抗だった。本当は両親を引き止めたかったのだろうという事は、作中での初音の「日本を離れることで、私が今より不幸になっちゃいますよ」という台詞に現れている。今より不幸という言い方は、今も不幸と言っているのと同じだから。
 ちなみに、策謀のようなことをするのは性格的に無理。千早と沙世子の仲直り作戦はあまりにも無理がありすぎて、あっさりと千早にばれている。
 ……そのはずだったのに、ただの芝居だったはずが「ビビッ」ときちゃって、見事千早をゲットしてしまった……どうしてこうなった。違和感を感じたのは優雨に対する千早の態度が父親のソレだったから、とのこと。しかも、恋人との写真を「速達」で両親に送ってしまう辺り、何というか……。
 「ビビッ」と来た時点で色々と外堀を確り埋めている辺り、その本気度が分かるというもの。タヌキ顔じゃなくっても、その性格と根回しの良さでお母さんと言われるのは確実です(笑)
 EDでの大学生活、沙世子を加えた三人でどんなお話になっていくのか興味は付きませんが……翔陽大の三美人のように言われるのだろうか?
 あと、オマケでの「なで初音」、結構台詞が豊富です。それはもう笑ってしまうぐらいに。


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